動物の研究

慢性の筋肉痛

医学雑誌

Archives of Oral Biology, Volume 104, 2019, Pages 33-39, ISSN 0003-9969

医学研究の名称

ラットモデルの筋筋膜疼痛において、カンナビジオールとカンナビノール、およびそれらの組み合わせが末梢鎮痛剤として作用

著者紹介

Hayes Wong, Brian E. Cairns - Faculty of Pharmaceutical Sciences, University of British Columbia, Vancouver, BC, Canada

筋肉痛に対するカンナビノイド:可能性のある解決策

この研究は、L.L. コフナーによって行われ、『口腔生物学アーカイブス』に掲載されたもので、非精神活性カンナビノイド、特にカンナビジオール(CBD)とカンナビノール(CBN)の、ラットの筋肉痛治療としての潜在的な可能性を探っています。

誰が研究を行いましたか?

研究はL.L. コフナー率いるもので、MITACSカナダとInMed製薬株式会社の助成を受けて行われました。この研究は、ブリティッシュコロンビア大学動物ケア委員会の承認を得て行われ、関与する動物たちへの倫理的な取り扱いが確保されました。

主な発見

  • CBDまたはCBNの注射により、ラットの筋肉に神経成長因子(NGF)を誘発した感受性が低下しました。
  • CBDとCBNを組み合わせることで、それぞれの化合物単独よりも筋肉の感受性がより長く低下しました。
  • CBDの濃度が高いと、この効果の持続時間が短くなるようです。これはCBDがCBNに対して抑制的な効果を持つ可能性を示唆しています。

方法論

この研究は、メスのスプレーグ・ダウリーラットを対象としました。研究者たちはラットの咬筋(顎の筋肉)に神経成長因子(NGF)を注入し、線維筋痛症や顎関節症などの状態を模倣して筋肉の感受性を誘発しました。CBDとCBNのそれぞれとそれらの組み合わせの効果を評価しました。

使用された投与量は、CBDが5 mg/ml、CBNが1 mg/mlでした。CBDとCBNの組み合わせは1:1 mg/mlまたは5:1 mg/mlのいずれかでした。研究者たちは、ラットの筋肉感受性の程度を示すために電子式フォン・フライヘアを使用しました。

また、カンナビノイドが中枢神経系ではなく、筋肉痛の現場である末梢で作用していることを確認するために、電気生理学的な実験も行われました。

可能性について

結果から、CBDやCBNといった非精神活性カンナビノイドが、中枢神経系に望ましくない副作用を引き起こすことなく、慢性的な筋肉痛の障害に対する救済策となる可能性があることが示唆されます。

制限事項

この研究はラットを対象として行われたため、結果が直接人間に適用されるとは限りません。また、CBDとCBNの組み合わせが個別の化合物よりも効果的であった一方、CBDの濃度が高いと治療効果が低下するようです。

結論

この研究は、非精神活性カンナビノイドが慢性的な筋肉痛の可能な治療法となる可能性を示唆する有望な根拠を提供しています。ただし、これらの知見の意義を十分に理解するには、特に人間を対象としたさらなる研究が必要です。

詳細は、こちらの論文をご覧ください:here

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